保険料の未納が増えると年金制度は破綻するのか?

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年金未納者が増えると制度が破綻するのか?

保険料(掛金)の未納が増えると年金の給付に必要な財政が不足してしまい、年金制度が破たんするという「年金未納破綻論」は、公的年金とりわけ国民年金において巷間で未だに聞こえてくる主張です。

 

特に、若い人の間だけでなくマスメディアや経済学者といった有識者にいたるまで、この手の迷信を鵜呑みにして世の中に拡散する傾向がある始末。

 

年金制度が破綻すると主張している人の内容まとめ

さて、年金未納破綻論の内容を整理してみると

  1. 年金制度の保険料未納者が増加する。
  2. 保険料収入(掛金収入)が減少する。
  3. 年金はそのまま給付し続ける。
  4. 結果として積立金が減少し年金財政が悪化する

という構成になっています。論の立て方がシンプルであるためか一見もっともらしく聞こえますが、内容はガタガタです。

 

年金破綻論者の見落とし「年金額は加入(納付)期間に比例する」

年金未納破綻論者の主張では、未納者に対しても年金が満額支給されることを前提としています。

ですが、そもそもこの前提がおかしいと言わざるを得ません。

例えば、企業年金の給付設計で考えるとオーソドックスな「給与比例制」をはじめ「ポイント制」「キャッシュバランスプラン」など多種多様な仕組みを採用しています。そして一般的には、勤続(加入)期間が長くなるほど給付額も高くなりますつまり裏を返せば、未納機関や未加入期間があると、そのぶん未納者への給付額が少なくなります。これは公的年金も同様で、国民年金の年金額は保険料納付期間に、厚生年金保険の年金額は標準報酬と被保険者期間月数にそれぞれ比例します。

また、年金財政の視点に立つと、企業年金では、現役時に掛け金を積み立てて高齢期に取り崩す「事前積立方式」を採用しているため、未納により掛金収入が落ち込んだとしても、現役時に適正な積立が行われていれば、給付が滞ることはありません。

一方、公的年金では、世代間の支え合いを旨とする「賦課方式」を採用しており、保険料収入が減ると年金給付が滞りそうな印象を受けます

しかし、公的年金は、賦課方式に近い財政運営とはいえ、現時点で百数十兆円もの積立金を保有しており、未納による保険料収入の減少が年金給付に直ちに影響を及ぼすことはありません

 

まとめ

いずれの制度の場合を採用している場合でも、「年金額は加入(納付)期間に比例する」「未納者には年金は支払われない」というごく当たり前の常識さえ踏まえていれば、この手の浅薄な破綻論に惑わされることはありません

 

年金において未納が問題なのは、制度破綻を招くからではなく、未納者自身の老後生活の破たんを招きかねないからです。

 

簡単にできる財テクとして当ブログでは国民年金の学生特例で猶予されていた期間の保険料の追納を薦めています。

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