二宮尊徳像を座らせたりジェットつけて何がしたいのか

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少し古い記事になるが、二宮尊徳像の姿勢を色々と弄った像が話題になったことがある。

歩きスマホが流行ったころには像を座らせてみたり、はたまた背中にジェット機を付けて、ユーモアを表現したかったりと意図は様々だ。これらについて思うことを述べる。

何がユーモアだよ

五月蠅い小言だと思われるだろうが、二宮尊徳像にジェット機を付けて飛ばすことの何がユーモアなのか私にはさっぱりわからない。感性の違いはあるにしても、こういうのが学校にあると学校に来るのが楽しくなる、らしいが甚だ噴飯である。

何やら作者の理解では二宮尊徳像は「勤勉」「マジメ」であることを伝えるモニュメント

程度の認識らしい。多分、学校の先生の認識としてもそうなのだろう。

二宮尊徳像に刻まれている言葉

ところで、二宮尊徳像と言えば薪を背負って歩きながら読書をしている姿が印象的だが、実は小田原市に座った姿の像がある。その像には次のような一文が刻まれている。

経済なき道徳は戯言であり、道徳なき経済は犯罪である

非常に耳が痛い言葉ではないだろうか。

頭の中お花畑の教師や政治家がとなえる戯言(ざれごと)、労働者から不当に搾取をし続けるブラック企業(上司)の存在。もはや社会の一風景となってしまっているが、それらは戯言であり犯罪であると切り捨てている。

尤も、二宮尊徳がこの言葉をそのまま言ったということではなく、二宮尊徳が残した文を大胆に翻案した表現であるという点は留意したい。

さて、二宮尊徳の言行録を現代語訳したものとしては「二宮翁夜話」がある。

さて、二宮翁夜話から先の一文にかかるであろう箇所を引用する。

二一三 翁曰、学者書を講ずる悉(クハ)しといへども、活(クワツ)用する事を知らず、徒(イタヅ)らに仁は云々義は云々と云り、故に社会の用を成さず、只本読みにて、道心法師の誦経(ジユキヤウ)するに同じ、古語に、権量(ケンリヤウ)を謹(ツヽシ)み法度を審(ツマビラカ)にす、とあり、是大切の事なり、之を天下の事とのみ思ふ故に用をなさぬ也、天下の事などは差置て、銘々己が家の権量(ケンリヤウ)を謹(ツヽシ)み、法度を審(ツマビラカ)にするこそ肝要なれ、是道徳経済の元なり、

(省略)

社会の用をなさねば寝言である、と。

翻案すると次のような感じだろうか

二宮翁は次のように言った。学者は書物については詳しいのだろうが、それを活用するということができていない。「仁(ジン)とは」「義(ギ)とは」等と言ってはいても、それだけじゃ社会の役に立ちはしない。坊主のお経と同じだ。古い言葉ではあるが、権量を謹み法度を審にすとある。これは大切なことを言っている。これを天下の治め方と思っているから書物を活用することができないのだ。天下のことなど差し置いて、各々が自分の家の身の回りを整え、自己の価値基準を審らかにすることが大事なのだ。これが道徳経済の元になる。

(省略)

社会の用をなさねば寝言である、と。

(かなり意訳を挟んだ翻案になっているので、意味がところどころ違ったら申し訳ない。)

ちなみに、「権量を謹み法度を審にす」は「論語」からの引用であるのでこれについても参照すると良い。尭曰(ぎょうえつ)篇に登場する言葉だ。論語とかがさらっと出てくるのが、この時代の人クオリティだ。

言っていることが、これまた今の学校の先生には耳が痛い話だろう。

二宮尊徳のエピソードについて

エピソードについて幾つか残っているが、これらが事実であるかは定かではない。wikipediaの内容を引用すると次のようなものがある。

村人たちの開墾作業を見回っていた時、一人の男が他の村人の何倍も激しい勢いで仕事をしている様子を見て、「そのような勢いで一日中働き続けられるはずがない。お前は他人が見ている時だけ一生懸命に働く振りをして、陰では怠けているに違いない」と怒鳴り、村人たちの前で男の不正を厳しく叱ったという。

このエピソードはつまるところ、男が「五月蠅い奴(例えば上司や先生)」の前でだけ勤勉であろうとする、悪習が身につかないように指導をしたということだ。

 

先の言行録の内容やこのエピソードなどから考えるに、二宮尊徳像が学校に置かれるのは本来的な意味では教師にこのような指導者になれということを意図しているのではないか。

二宮尊徳像が少年の姿をしているせいで、子供に勤勉たれというメッセージを発しているかのように受け取られているが

「子供に、知識を社会に出てからも役立たせる方法を指導せよ。」

「その場をしのぐ方法ではなく、善い習慣を身に付けさせよ。」

ということを伝えるために理想的な指導者として二宮尊徳像を学校に置いていたのではないのだろうか。

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